2017/07/24 16:32

早いもので、オリーブオイルの販売をスタートしてもうすぐ一年。
私が8年間初搾りのシーズンに、取り寄せ続けたオイルは、
昨年、時を同じくして関西でピツェリアをオープンしようとしていた友人に、
「関西では青臭いオリーブオイルは嫌われるんや。」
と一蹴され、改めてよく考えてみれば…
2012年、5年前に、偽オリーブオイル事件について
大きく報道される以前は、オリーブオイルの区分
(エクストラバージンとは何たるか?)や、まして
“オリーブオイルに味や香りがある”という事を
認識している一般の日本人、(産地にご縁の深い方や、
オイル関係のお仕事をなさっている方とか以外には、)
ほとんど皆無だったのではないかと
改めて感じている今日この頃です。
ただ単に、美味しいオイルを食べることが大好きだった私が
今度は売る側、少しでも正しい情報をお届けしたいと、
ネットでさんざん調べたところ…
「アレ?さっきの記事と違うことが書いてある。」
「エッ?この記載って正しいの?」
多くの矛盾にぶつかり、
自分の思い込み、勘違いを発見し…
調べまくった検証結果にしばしお付き合いください。
いや、未だ結論に至らない検証中の案件、
ご存知の方、是非教えてください。
★酸度についての勘違いアレコレ
酸度=遊離脂肪酸=トランス脂肪酸
何となくよく聞くけど、ごちゃごちゃになっている方、
けっこう多いんじゃないでしょうか?
エェェッ?私だけ???
ヨーロッパのエクストラバージンの基準は酸度0.8%以下、
SUATONIのエクストラバージンは酸度0.19%
摘んだ瞬間から酸化が始まるとされるオリーブ、
当然ですよね。生き物なんですから。
酸化によってグリセリンとの結合が解かれた脂肪酸の中に
オレイン酸がどれだけ含まれているかを示す値で、
酸度が低いほど劣化しにくいオイルと言えるそう。
私たち、一般人がオイルの鮮度を知るための
ありがたい基準と言えそうです。
エクストラバージンオイルを搾る際に
当然のように行われているコールドプレスや
即日搾油、瞬間粉砕、保温タンク。
温度を上げず、時間をかけず、空気に触れないように。
これらは全て酸化を防ぐための処置です。
一度オリーブオイルにすると酸化は進まない、との
記述も見かけましたが、酸化します。
オリーブオイルの主成分、オレイン酸は
不飽和脂肪酸の中では酸化し難い油ですが、
正しい保存方法で保管して酸化を防いでください。
一方今や、様々な研究結果で、虚血性心疾患、
(狭心症、心筋梗塞)、脂質異常、高血圧、高血糖の
原因とされ、悪魔のように忌み嫌われるトランス脂肪酸。
オリーブオイルの加熱処理や、水素添加加工の際に
多くは発生します。
“エクストラバージン”なので、加熱による精製や
化学処理はなされていないのは当然のこと。
トランス脂肪酸0%、って記載を見つけたので…
逆に「エクストラバージンオイルって、トランス脂肪酸が
含まれる場合があるの??」ってビックリしてしまいました。
調べたら、わずかではありますが、酸化の過程で
二重結合の転移反応によってシス体が
トランス体に変換される場合もあるらしい。
(難しい分子の結合の形の話ですが。)
ちなみに、消費者庁のガイドラインによると、
0.3%以下は0%と表記して構わないそうです。
健康に害を及ぼさない程度の微量ってことですよね。
他にも書きたいことがあったのですが、
一番気になるところだったので、
思いのほか長い話になってしまいました。
続きはまた次回聞いていただくことにいたします。
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。