2017/10/10 15:31
オリーブオイルを仕事の一部として早2年目、
知れば知るほどに、今まで当たり前のように
思っていたことに、素朴な疑問を感じ始めました。

例えていえば、瓶詰のオリーブの実によく見られる、
ブラックオリーブとグリーンオリーブは種類によって違うのか、
もしくは収穫時期によって違うのか??
今までは単純に種類の違いだと思っていましたが、
9月に訪れたアメリアの畑では、ほとんどの実が
硬そうな濃い緑で、ほんのりと色づき始めた実がちらほら・・・
畑の中を探し回って何か所か見つかる、
という感じだったのですが、最近送られてくる写真は
かなり色も濃く、熟したオリーブが見られるようになりました。
そこで、聞いてみました!

Q:ブラックオリーブとグリーンオリーブの違いは品種の違い?
収穫時期の違い?
オリーブの実を収穫せずに置いておくと、アメリアの品種の
約8割近くの実は濃く色づいていくそうです。
という事は、品種の違いでしょうか。
黒くなる種類と緑のままに熟す種類の違いがあり、
その熟し具合を確認しつつ、一斉に収穫する時期を決めるそう。
去年見た収穫直後のオイルは、確か黒い実と青い実がほぼ半々・・・
黒くなるオリーブの種類も、最大多数の実が収穫に適した時期には
未だ色づく前の青い実も多数あるという事のようです。
Q:実の熟し具合に差がある中で、収穫時期を決定する決め手とは??
気温の高い年は早目の収穫、気温の低い年は遅めの収穫、という
漠然とした了解はあるものの、そこは多分に長年の経験を積んだ
人の勘がものをいうそうですよ。(笑)
収穫前のこの時期の雨も重要で、暑い夏が終わっても雨が少ないと
オイルは木の幹に溜まったままで実の方に行かないのですが、
雨が降ると暑さで疲れていた木が元気を取り戻し、
実を充実させる働きが出てオイルが実の方に行くそうです。
近隣では何回か雨は降りましたがもう一度降るとより良さそう・・・
少し都市伝説風な補足が付いてきました。
ブラックオリーブ、グリーンオリーブの品種の違いはありそうですが、
最近はオリーブオイルに含まれるポリフェノールの効果に
注目が集まり、いわゆる早摘み、ポリフェノール含有量が多い、
熟す前の青く硬い実を搾油した“アーリーハーベスト”などという
贅沢なオイルも見かけるようになりました。
実が小さいままに収穫するため、搾油量は当然少なめ、
ポリフェノールを示す、苦みや辛みがより強いオイルらしいです。
一方、完熟した実だけを順々に収穫していく習慣のある
地方もあるらしく、手間をかけて収穫するマイルドなオイルと
なるらしいです。
SUATONI社のオイルは完熟の実、青い実の入り混じった
オイルですが、その風味とバランスはなかなかに味わい深く、
地域住人の自慢としては、脂っこくなくすっきりとした味だそう。
“アーリーハーベスト”のように商用に作られたオイルではないですが、
近隣一帯の人々の愛するローカルフードと言えそうです。